英語の力
コミュニケーションを取ることがこれほど楽しくて不思議なものなのかと感じました。それぞれの国の人が異なった言語を使うなか、唯一共通の言語を使うことで互いにわかりあえること、また、英語を使えば母国語を教えあうことも可能です。実際に僕は日本語を教えましたし、アラブ語やカザフ語なども教えてもらいました。
難しかったところは、英語の発音でした。書けますし、読むことができますが、喋ることと聞き取ることに苦労しました。普段の学校の授業で発音練習に力を入れていなかった僕は、今回のことで発音の大切さを知りました。例えば授業の合間のお昼には数名でよく食べにいきましたが、発音が悪くて聞き返されることがしばしばありました。でも日本人がいないグループで一緒に食べに行き会話をすることが本当に貴重な時間で、最高でした。
ルームメイト
貴重な時間というのは他にもありまして、それは、ほとんど毎日行っていたトレーニングジムです。ルームメイトのカザフスタン出身のAidaと二人で行っていましたが、途中から日本人の大学生と三人で行きました。Aidaには本当にお世話になりました。おすすめのお店に連れて行ってもらいましたし、夜も喋ることが多かったです。また、他のルームメイトといえばEldasという同じくカザフスタンの方です。彼は料理が上手で、作ってもらうこともありました。皆、僕によくしてくれましたし、会話でも僕が伝えようとしていることを理解しようとしてくれたりと、優しい人に囲まれてよかったです。
マレーシア語学学校「ELC」
一ヶ月間入学したELCという学校では活動的な授業が大半で、チームに分かれて競い合うことが多かったです。教科書を使って勉強をし、週に一度テストもします。また、日本ではあまり手を挙げてまで発表をしないのですが、ELCでは良い意味で自己主張が強くて発表が当たり前でした。おかげで僕もよく発表することができましたし、間違えても少しも恥ずかしいとは感じませんでした。
学校はいくつかのクラスに分けられていますが、朝には、他のクラスが混ざっての授業があります。授業といっても班に分かれて簡単な会話をするだけです。しかし、これが楽しくて、昨夜食べたものや先週どこにいたかなどを質問します。発音ができていなければ筆談で伝えますし、最悪、スマホで利用できる、翻訳アプリを使って伝えます。普段喋らない人とペアーを組んだりするので、ここではできるだけ外交的になるのが学習のこつだと思います。初対面の方と喋る時も、まるで前から友達であったかのように接してくれました。日本にいるときにはあじわえない感覚で、馴れ馴れしいという表現はふさわしくないかもしれませんが、なかなか良いものでした。日本で同じような行動をしてしまうと驚かれる可能性がありますが、国によって接し方がちがうところが面白いと感じました。もっと色々な国を訪れて本場のあいさつなどを経験したいという目標ができました。
食文化
食べ物については、僕は困ることが全くありませんでした。本当にいろんな国のお店があったので種類は豊富でしたし、値段も気にしなくていいくらい安価でした。といっても後半、僕は気に入った同じものばかり食べていました。バーガーなどのカロリーが高そうなものが大好きで毎日食べていました。
お昼には、ELCの隣のカフェによく行きました。そこのお姉さんも気さくな人で、料理ではなくその場の雰囲気に惚れてしまいました。また、近所に屋台があって、よほどの用事がないかぎり、夜はそこに通っていました。トレーニングのあとにチャーハンと焼きそばを食べるのも一つの楽しみでした。マクドナルドにもよく行きました。日本のマクドナルドの半額までとはいきませんが、かなり安くて、日本のマクドナルドが高いと感じることがありました。
中華料理とインド料理のお店が多くて、中華料理は本当においしかったです。屋台の中華料理店だと少し不衛生な部分もあったように思いますが、それも趣がありました。インド料理は僕には辛すぎました。辛いたれといえば赤色のイメージがありましたが、緑色のたれとかがあって、舌の先につけただけでしばらくマヒしていました。
サイトシーイング
観光地にも訪れました。バトゥ・ケーブスやマラッカ、チャイナタウンなどです。バトゥ・ケーブスはモノレ―ルと電車を使って行きました。モノレールの切符が独特で、日本とは違ってプラスチックでできたメダルのようなものを機械の上にかざすと通ることができます。少し乗り物の話になりますが、時間にルーズなところがあって乗り降りするときも降りる人が優先ではありません。慣れればスムーズにやっていけますが、そういう違いもいい経験になりました。
話は戻りますが、バトゥ・ケーブスに一度行ってみたくて、マレーシアに行くことが決まってからずっと行きたいと思っていました。テレビでみたことがあって、大きな像や長い階段の先にある洞窟、とても興味がありました。実際に行ってみて感じたことは像が想像より大きく見えて満足でした。洞窟内は少し光がさしていて、綺麗でしたが、「これで終わり?」と言ってしまったくらい中は進む距離は短かったです。長い階段を五分ほどかけて登りましたが、途中でかなりの数の猿がいました。僕は動画を撮っていたのですが、女性のかばんから物を盗む瞬間をとらえていて、偶然だったので驚きました。
マラッカは数時間かけてモノレール、電車、車で行きました。マラッカは町全体が世界遺産に登録されています。マラッカの中心にあるスタダイス、通称オランダ広場という場所にはキリスト教会があります。また、その先の階段を登っていくとセントポール教会というフランシスコ・ザビエルの遺体が一時的に安置されていたという場所があります。中に入りましたが言われてみるとすこし奇妙な感じがしました。
チャイナタウンはクアラルンプールの近くにあって、ブランド品の偽物を売っていたり、飲食店も多かったりです。ほとんどのお店が腕時計、靴、衣類、かばんなど、同じようなものしかありませんでした。全ての商品に値段がついていなくて交渉制となっています。そのため、慣れていない人が行くと相手が決めた高めの値段で買ってしまうので日本円にしたら安いからという理由では買わないほうがいいです。僕はルームメイトのリュウジさんとエイジさんにねぎってもらいました。二人は安い値段で買ってくれたのでかばんなどを相手が決めた価格の半額以下にしてくれました。かなり日本人を標的にしていて、いろんな所から誰かに教わったであろう商売に役立つ言葉がとびかっていました。
まとめ
マレーシアへ行って、初めての体験だらけだったと思います。買い物でも英語ですので、たかが買い物ですが、僕は楽しかったです。僕が一番行ってよかったと思うのは出会いです。向こうで出会った日本人も他国の人も素晴らしい人ばかりです。
僕は観光の仕事をしたいと思っていましたが、高校の先生に「安定してないからやめときなさい」と言われました。僕のことを思ってのことだと思います。そして、迷うことしかできていませんでしたが、皆との出会いをきっかけに、「どうしても観光の仕事をするのだ」と決意できました。やっぱり自国を紹介すること、他国を知ることは素晴らしいです。もっと多くの人に日本を知ってもらいたいです。
下手くそな英語だからこそ会話が楽しかったのですが、次回はもっと上手く話したいです。僕の目標は「日本のいいところを実感するために他国のことを知ること」ですが、今回の語学研修で満足のいく結果をだすことができました。